前人未到温泉

秘湯どころじゃない、人類未発見の温泉(源泉)を探して”史上一番風呂”に入ります。

【STAY HOME新活動】山頂の空気を缶詰に詰めて集めてみよう

空気缶 タイトル

皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

2020年春は外出自粛で山にも行けず、山登ラーの皆さまもソワソワしていることかと思います。僕も温泉探しに行けず、あろうことか死ぬ危険の一切ない安全な我が家でぬくぬく過ごしてしまっています。いつまで続くんでしょうか。

今回は2019年度に始動したたものの報告していなかった新活動を報告します。

登山の新スタイル「山の空気缶コレクト」

「空気缶」という物を知っているだろうか。富士山の5合目に行くと売店で「富士山の空気」という商品が売っている。缶詰の中には富士山の空気が詰まっている、という素敵なお土産だ。つまり、何も入っていない缶詰を売っている。

富士山の空気 缶詰 空気缶

「富士山の空気」各種。『富士山頂の空気』タイプも出来てた!ブルドーザーで運ばれてる…

※5合園レストハウス http://fujisan5.jp/

確かこの「空気缶」はかなり昔から富士山に存在していて、世界遺産に登録される遥か前、少なくとも1990年代からあるのでは。そして「空気缶」は富士山でしか見たことがない。<その場の空気>が商品になるというのは、それだけ富士山が特別な山だということを物語っている。

AKB 空気缶

AKBのステージの空気缶というのもかつてあった。こちらも「その場の空気」が商品になる稀有な例だ。

(引用元)

http://www.brangista.com/ir/library/2016/hs29k3bgz8d2zw335m.pdf

 

富士山 お土産 林先生

富士山5号目には世相を反映したお土産が売っている(@2013年撮影)

この「空気缶」を他の山にも導入してみてはどうかと思った。富士山は日本人全員にとって特別な山だが、山を登る者それぞれに特別な山は別にある。自分の脚で登った山の全てが特別な山でもあるだろう。

山に登った記念にその場の空気を持ち帰るのだ。山にある物を思い出に持ち帰るのはマナー違反だが、空気なら問題ない。そう思って2019年春、缶詰を作る機械を買い、山に担いで持っていき、そして空気を詰めた。それがこちらである。

大山 空気缶

3缶分詰めてきた。(ラムネは大きさ比較用)

空気を詰めて来たのは神奈川県の丹沢山系・東部にある大山(おおやま)の山頂だ。2019年の4月なので令和になる直前、平成31年の大山山頂の空気ということになる。期せずしてプレミアな空気になった。

まずは大山に登って山頂で空気を詰めるまでを軽く紹介しよう。

大山 正面

正面が大山(標高1252m)。日本三百名山に数えられる。

「大山」というと広島出身の僕にとっては無条件に中国地方最高峰で日本百名山の「大山(だいせん)」だ。

大山 山頂

鳥取県・大山(だいせん)山頂から望む日本海と境港

しかし関東圏では「大山」といえば「おおやま」だ。アクセスが良く、手頃な日帰り登山のできる山としてこの大山(おおやま)も非常に愛されている。上京してから、この大山(おおやま)を知ったのだが、しばらくは「はぁ?おおやま?ぼれぇいなげな名前を付けてくれちゃったのう!」と内心思っていた。しかし山登りを繰り返すうち、山に対する愛情が深まり「なかなかいい山ですね。ぜひ行きたいですね!」と思うようになった。山は人の心を広くする。

こま参道 大山

麓の「こま参道」には飲食店やお土産店が並ぶ

大山桜

この日は少し離れた山の中にある「大山桜」も見物した

 大山は山岳信仰とも結びつきが深く、登山道の途中には大山寺と阿夫利(あふり)神社が鎮座している。阿夫利神社は大山の別名が「雨降山」「阿夫利山」(共にあふりやま)ということからきているのだが、もはやラーメン屋「AFURI(アフリ)」の由来になっているという方のイメージが強い。

大山寺

大山寺 本堂前の三十六童子

阿夫利神社

阿夫利神社 富士山の神様・木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)の父・大山祇大神(オオヤマツミノカミ)を祀る

↓たまにAFURIのラーメンが阿夫利神社にやって来ているようだ!いつかここでも食べたい。
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そして個人的に大山の一番の名物と思っているのが「ルーメソ」だ。

大山 ルーメソ

これが「ルーメソ」。

大山 ルーメソ

「大山登山にルーメソ」という情報ゼロのPOP

この「さくらや」という茶屋で『ラーメン』ののぼりを間違えて横に掲げたら上手いこと『ルーメソ』と読めたのでそのままにした、というのがことの顛末だ。つくづくラーメンに縁のある山である。

ルーメソ 大山

店内から見た「ルーメソ」

ルーメソ 大山

秋に行ったら色違い?代替わり?していた

そんなミドコロの多い大山を非常に重い缶詰マシーンを担いで山頂まで登った。さあ、空気を詰めよう。

缶詰 空気缶 マシーン

鬼のようなかさばり方と重さ

缶は容器とフタが分離された状態で売っており、この機械で封をして閉じた後はプルタブ式で簡単に開けることができる。缶詰マシーンは持ち運びを全く想定されていない地獄のようなかさばり方なので、この「山の空気缶コレクト」活動を広める上で障害となること受け合いだ。

空気缶

開けることができるのは一度のみ

大山山頂はこの日も登山客で盛況だ。ガスバーナーとコッヘルで調理をして楽しんでいる人も多い中で「あの人何をしてんだ?」という目線も感じながら作業をした。天気も良く、非常に清々しい空気を詰めることができた。

空気缶 缶詰

缶詰作りは意外にも微妙な加減が必要だ

空気缶 完成

完成!

「STAY HOME」と謳いながら、ここまで完全に外出前提の活動だ。実は自粛にあやかっているだけで家にいながらもできる活動ではない。申し訳ない。ただ、ここからは自粛期間中に行った活動である。というのも缶に空気を詰めた後、温泉探しやら何やらで忙しくて、缶詰をほったらかしてしまっていた。集めた山の空気もまだ1つだけである。この山に行けない期間を利用して活動を再開させることにした。

空気缶 大山

そういうわけで平成31年の空気を取り出してきました

「山の空気缶コレクト」は山に登った思い出を形として残すことが目的である。より鮮明な形で思い出を残せるよう、この缶にラベルを付けたいと思う。山に登って撮った写真を組み合わせて作れば自分だけのオリジナル空気缶が出来上がる。

画像加工 空気缶

使う写真を選ぶのに撮った写真を見直す作業も楽しい

今回は無料の画像編集ソフトである「PhotoScape」の写真コラージュ機能を使用した。最初からレイアウトがあるので写真を選んで配置するだけで簡単に作ることができる。(缶は「6号標準缶」を使用しているのでラベルは23cm×5cmの設定)

山の名前と密封日を入れれば完成だ。もっと凝って被写体を切り抜いて配置してもいいし、何なら山頂の空気じゃなくてもいい。ピークハントだけが山登りではない。

家にプリンターがない人はコンビニでネットプリントしよう

ご飯を買いに行くついでに印刷完了!

印刷したらラベルを切り取って缶に巻きつけて貼る。巻きつけた時にラベルの端と端を重ねて”のりしろ”にするので、そこは考慮しながら写真をレイアウトしておくといい。

ハサミで

切り取って

缶に貼って

空気缶 大山

完成!

昨年の山登りの思い出が1年の時を経て形になった。修学旅行で買うタペストリーじゃないが、缶を見ると旅の記憶がよみがえる素敵な仕上がりになったと思う。この缶が20個、30個と増えていくと山行の記憶を兼ねたコレクションが出来上がり、相当楽しいんじゃないだろうか。

空気缶 大山

数人で山に登った時に作ってシェアするといいかもしれない。

普段の源泉探索では他に死なないための荷物が多すぎて持っていけないが、今後は山に行くときは缶詰マシーンを持っていくようにしたい。鍋割山の「鍋焼きうどん」とか燕岳の「スイカ」とかいいラベルになりそうだ。一刻も早く状況が落ち着くことを願っております。

↓【缶詰作りダイジェスト】↓


山頂の空気を缶詰に詰めて集めてみよう(@神奈川県・大山)