前人未到温泉

秘湯どころじゃない、人類未発見の温泉(源泉)を探して”史上一番風呂”に入ります。

漫画『野湯ガール』に協力しました。

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『野湯ガール』という漫画がある。野湯を愛する運動神経バツグンの主人公・大鷹ヒバリが日本各地の野湯を巡り入浴するという”野湯マンガ”である。そもそも野湯の漫画が連載されていること自体が奇跡なのだが、この第14湯・第15湯になぜかミウラが【監修】という形で携わらせて頂いたのだ!

ま、まさか自分の人生に漫画制作に関わる日が来るとは。

yawaspi.com

『野湯ガール』第14湯・第15湯は人工衛星サーモ画像を駆使してヒバリたちが前人未踏の温泉を探す、という話だ。そう、この「前人未到温泉」活動のコンセプトがそのまま漫画になっているのだ。やばい。

そもそもこの活動は師匠(と勝手に呼んでいる)福田重雄さんが書籍に記していたリモートセンシング温泉探しのメソッドを基に実践しているものだ。福田さんからは「どんどん自由にやってください」とお言葉を頂いたので自由にやっていたのだが、こんなことになるとは。「温泉を人工衛星で探す」という、このめちゃくちゃ面白い取り組みをより広く発信する機会ができたことは嬉しく思う。

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「衛星画像で読み解く 日本の温泉82」

「衛星画像で読み解く 日本の温泉82」

自分がこの漫画に関わることになったこと自体も驚きだが、この件にはもう1つ大きな驚きがあった。

『野湯ガール』は原作:麻生羽呂先生作画:吉田史朗先生というタッグで制作されている。麻生先生は映像化もされた『今際の国のアリス』で知られ、『ゾン100 ~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』(原作)を連載中、吉田先生は『村上海賊の娘』(作画)、そして現在は武論尊先生が原作の『TooBEAT』(作画・連載中)も描かれている。すごい2人!そして今回のお話を頂いて原作担当の麻生先生と打ち合わせをすることになったのだが、ここであることに気がついた。僕は麻生先生のことを知っていたのだ「野湯の人」として…!

取材の話を頂いて麻生先生の名前を検索するとすぐにあの「今際の国のアリス」の作者だと分かる。だが、その直後に気づく。僕が野湯に出会い、各地の野湯情報を調べ始めた頃に見ていた「あのブログの主」だと。当時ブログ主の名前なんて見ていなかったので麻生先生の名前に見覚えはなかったが、このブログには断然見覚えがあった。

そう、麻生先生は”野湯先輩”なのである。麻生先生のブログは野湯のブログというわけではないが、主人公・ヒバリと同じくアウトドア好きな先生は野湯にもかなり行かれていてそのブログをかつて僕が見ていた。その後打ち合わせで直接お会いすることになるのだが、僕からしたら「オフ会」である。

『野湯ガール』第14湯・第15湯は2巻に収録されてます

その奇跡的な「オフ会」を経て麻生先生から届いた原稿にはさらなる驚きがあった。この活動のエッセンスを取り入れるくらいかと勝手に想像していたのだが、実際には温泉探しの過程がめちゃくちゃ正確に、緻密に描かれていた。野湯経験は僕よりも豊富な方なので普段の野湯表現もすごくリアルだが、今回もめちゃくちゃリアルにリモートセンシングとフィールドワークという温泉を探すためのアプローチが分かりやすく描かれていた。このブログでもそこまで深く書いて来なかったのに!僕自身、温泉探しは単なる冒険ではなく”科学”だと思って活動しているのだが、ヒバリたちもその科学、そして興奮を感じていて嬉しくなった。

今後も彼女たちの活躍を見守りたいと思う。