前人未到温泉

秘湯どころじゃない、人類未発見の温泉(源泉)を探して”史上一番風呂”に入ります。

山奥で突然の硫黄臭!正体不明の源泉を探せ。【大分県・別府→くじゅう温泉探索】

くじゅう 野湯 九州 源泉 小田川 温泉

「かもしれない」趣味運用

趣味にも「リスク分散」が重要かもしれない。

コロナ禍もあったここ数年でそう強く思わされた。パンデミックがあるとイベントは中止になるし、人と集まることも難しくなる。誰かを推すことは彼らが引退するとできなくなるし、企業が展開しているコンテンツはいつかサービス終了する。自分の体力はいつか衰えるし、趣味に使う十分な時間がずっとあるとは限らない。

その趣味、できなくなるかもしれない。

何が言いたいかというと、今年は忙しくて全然温泉を探しに行けていないのだが、自分の持つ趣味はたまたまバランスが取れていて、遠出できなくても時間がなくてもできる趣味があって助かった。いらすとや探したりノート回したり。そして秋口になってようやく取れた時間に九州行きのスケジュールをねじ込んで、久しぶりに未踏温泉の探索へと向かった。「推しは推せる時に推せ」である。

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…信じられない話だが、ここまで書いてお昼を食べてtwitterを見たら、推しが結婚していた。そんなことある?幸いなことに彼女の活動は続き、今後も僕の「推せる時」は続くようだ。

高城れにさん、本当に結婚おめでとうございます。

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温泉大国の山中で前人未踏温泉探し

時は遡って2022年の10月。久しぶりの温泉探索で晴れ晴れとした気持ちで大分空港に降り立つと、到着ロビーには滝沢カレンさんがいた。後で調べると「行列」のロケで大分に来られていたようだ。一目で分かる圧倒的存在感。よく分からないが幸先のいいスタートと言っていいだろうか。

今回なぜ九州に来たかといえば、昨冬にテレビ取材で九州の未到温泉を探したときに人工衛星サーモ画像で色々な地域をサーチしたのだが、気になるけど行けていないところがまだまだあったからだ。

↓【九州での温泉探索&野湯巡りの様子】↓tori-kara.hatenablog.com

tori-kara.hatenablog.com

まず向かったのは別府。言わずと知れた温泉大国・大分の”首都”である。そこらじゅうに温泉が湧いてる別府で見つかっていない未到の温泉なんてあるのだろうか、という気もするが、逆に街中にあれだけ湧いてて山奥に湧いてる温泉をわざわざ探さないだろう、という考え方もある。何より、温泉ポテンシャルが高いこのエリアの山中にサーモ反応があって、温泉が湧いているという情報も一切ないなら探索に行かない手はない。今回の探索スポットの人工衛星サーモ画像がこれだ。

別府 サーモ反応 人工衛星

木々に囲まれてるにも関わらず謎のサーモ反応が

これが「ラクテンチ」。渋くて良い。

別府近辺のサーモ画像で目をつけたのは昭和の匂いが漂う昔ながらのアミューズメントパーク「ラクテンチ」の裏山にあたるエリア。山中に怪しいサーモ反応があるのだ。ラクテンチには入浴施設や名物の「温泉湧きプール」があるが、そこに使われている源泉はラクテンチの敷地内にあるはずなので、この山中から源泉を引いているということはないはずだ。ただ目指すエリアに行く道もないようなので辿り着けるかどうか分からないが…

ラクテンチ ケーブルカー

ラクテンチは山の中腹にあるので通常は麓からケーブルカーで向かうことになる

せっかくケーブルカーがあるので乗りたい所だが、ケーブルカーに乗ると自動的にラクテンチに入場してしまうので歩いて登っていく。地形図を見るとラクテンチの脇から上に登っていける道があるようだが…。

地形図の道は必ずしも当てにならないが…

ラクテンチ ハイキングコース

ハイキングコース?

もしかして、これ?

まるでラクテンチに向かう遊歩道かのようにデカデカと看板が出ていたが、矢印の方に向かってみると遊歩道という雰囲気は一切感じられないガチのハイキングコースが上へ伸びていた。

普通に山道。

ハイキングコースを登りきると別府湾が一望できた

こうやって「普通行かないようなところ」を目指して進むと「普通行かない道」に出会える。この活動をしていて分かったことの1つである。そんな道を歩くと人の気配がなくて心細さを感じるが、その先には誰も行かない場所があり、誰も見ていない景色につながっているかもしれない。そう思うと心が高鳴る気もする。「普通行かない道」は日常と非日常を繋いでいる。

「普通行かない道」の先には一歩踏み出すと銀杏を8個は踏む場所があった

ラクテンチのハイキングコースを抜けると一度集落に出たが、そこからさらに山の奥へと歩を進めた。ラクテンチの裏には「乙原(おつばる)の滝」という滝があり、そこまでは山道が続いている。問題はその滝の先に進めるか、だ。

乙原の滝。思ったよりもしっかりとした落差のある本格的な滝だ。

滝の周囲は事前に地形図を見て想像していたより切り立った断崖で、直接ここから先へ進むのは不可能だ。周囲にもっと緩やかな場所がないか探していると、ある場所で道が二股に別れていることに気がついた。地図には載っていない道だ。

地図にはない分岐が目の前にある

地図にはないのに、道っぽくなってはいる(右側)

国土地理院地形図を頼りに歩いていると分かることだが、地形図上では道があるのに行ってみるとただの薮だったり、その逆に何も書かれてないところに道らしきものが伸びていたりすることはよくある。進んで行くと、どうやら目をつけていた探索ポイント方面へと滝をまいて上がっていくルートのようだ。

思いがけず目的地へ向かうルートがあったのはラッキーともいえるが、道があるということは管理のために人が入れるようにようになっているということだ。サーモ反応があることに加えて、道が無さそう(=人が入ってなさそう)なことを理由にここを探索ポイントとしていたので未到温泉探索としてはマイナスポイントである。「なんで道あるんだよ!」と憤りながら、ありがたく進ませてもらう。

道、あんのかよ!(ありがとうございます)

蜘蛛の巣を全身に浴びながらどんどん細くなっていく断崖沿いの道を進むと探索ポイントの谷に到着した。ここからは沢沿いに温泉が湧いていないか確認しながら進んでいく。

まず堰があったので降りてみたがここの水は普通に冷たかった

こっちは立派な湧出ポイント!地層の境から湧き出す地下水が美しい

キンキンに冷たいけど、こういうのもいい。

沢の水自体はしばらく行くと伏流水となり途絶えていた。水気はなくなってしまったが、この沢沿いを遡りながら探索していると、まさかの光景があった。

車…!?

めちゃくちゃ怖い。

今通ってきた道は、人が1人通るのがやっとで車どころかオフロードバイクでさえ厳しい場所が何ヵ所もあった。どうやってこんな所までやってこれたのか。Googleマップのナビにとんでもない道を案内された車の成れの果てだろうか。

まあでもこの感じだと3〜40年以上前かな…

ナンバープレートはない

まさか事故当時から発見されてないとかじゃないよな、と思い恐る恐る近づき助手席側を覗き込むと細長い棒状のものが!ヒィ、と思ったがどうやらハンドルのようだ。まさかの左ハンドル。

骨じゃなくてよかった

その後も探索を続けたが、温泉的にはめぼしい発見はなく探索終了。ないか…

人気のない山と苔むした車。

ちなみにその後、別府市内のもう1つの探索ポイントにも向かったのだが、目的の沢には斜面が急&藪が濃すぎて入渓できず。別府での探索は完全に空振って終了した。

中央の深い谷が探索ポイント。向かって左の上流部が入りやすそうだが、そこは自衛隊駐屯地なのだ。

川の名前は冷川!別府でわざわざそんな名前の川なのは温泉がない、ということかもしれないがサーモ反応もあるし、下流には「温水(ぬくみ)」という地名もある。

くじゅうで「前人未到温泉発見」模擬戦

次にやってきたのは大分県と熊本県の県境地帯。山域で言えば「くじゅう連山」の西部にあたる。くじゅう連山は全体が火山で硫黄山からは常に噴気が立ち上り、周囲には多数の温泉地や地熱発電所もある文句なしの地熱ポテンシャルエリアである。

日を改めて熊本側から向かう。熊本市内から阿蘇を越えて北上していく

みさえは阿蘇市出身

阿蘇駅前にはウソップもいる

そんな強大な温泉パワーを持つくじゅうエリアであるが、野湯があるという話は聞かない。地熱地帯なだけに温泉が湧いていれば高温で、そういう源泉は温泉地としてすでに利用されているからだろうか。しかし昨年このエリアのサーモ画像をもとに探索ポイントを絞っていたところ、ある情報を目にした。

人工衛星 サーモ画像 赤外線 くじゅう

くじゅう連山の西にある谷間を流れる「小田川」が探索ポイント

温泉を探す際は山の中なのにサーモ反応のある場所、そして「沢がある場所」を中心に探索ポイントを絞っていく。これまでの経験上、温泉が沢沿いに湧いていることが多いからだ。そしてその沢に名前がついている場合は、事前に「(沢の名前)+野湯」「沢の名前)+温泉」などで検索してすでに見つかっている野湯がないか確認するのだが、目をつけた小田川には源泉が湧いている所がある、という情報がわずかながら引っかかった。

わずかなブログでこのような源泉の存在が報告されている

(引用)https://yamabitoyo.exblog.jp/19141924/

情報はわずかで5〜15年前と古めの情報。しかも沢登りをしている人による報告のため「源泉がある」という情報しかなく、当たり前だが入浴の感想はない。前人未到の温泉ではないがそんな山奥に湧き出す、ちゃんと入浴さえされていないかもしれない温泉、入ってみたいではないか。そういうわけでくじゅうへと向かった。バスで。

熊本県・瀬の本レストハウスからスタート

2万4600円くまモン

この日は別府での探索からは2週間ほど経ったまた別日だったのだが、熊本空港行きの飛行機はDJ KOOさんと同じ便だった。唯一無二の存在感を持つ人と同じ飛行機に乗り合わせがちな九州旅である。

空港からバスでくじゅうエリアに向かい、熊本側から大分との県境にある小田川へ向かい歩いていく。先日は温泉目的で別府に行ったのに温泉には一切入らず帰る、という年に1人いるかいないかのレア観光客となってしまった。今日こそは温泉に入って帰りたい。

熊本側は阿蘇っぽい景色

すぐに県境を越える

このあたりは「くじゅう連山」というエリアだと書いたが、他にも「九重(ここのえ)」という地域と「久住(くじゅう)」という地域がある。「九重」と書いて「くじゅう」かと思いきや普通に「九重(ここのえ)」だし、かといって「くじゅう連山」は「九重連山」とも書く。外部の人間には「くじゅう」の使い分けはレベルが高すぎてよくわからない。そしてこのあたりは「阿蘇くじゅう国立公園」に指定されているのだが、この国立公園の名称に「九重」をあてるのか「久住」をあてるのか、これもかなり揉めたそうだ。国立公園の名前はかなり重要なので、どちらも譲らないけっこうシリアスな揉め事だった可能性もあるが、くじゅうに向かうバスの中で流れる観光アナウンスで豆知識的に語られていたので、もう昔の小話として昇華できているのだろう。

うーん…わからん。

http://www.kuju-kh.com/

20分ほど歩くと目的の「小田川」に到着した。ここから川を遡って源泉を探していく。

小田川

赤茶けた川の様子に温泉の期待は高まる。

今回は「源泉があるらしい」という情報だけで、具体的に小田川のどの辺りにそれがあるのか、そしてそれが今もあるのか分かっていない。しかもバスでここまで来ている僕には「帰りの終バス(約5時間後)」というリミットがある。登山アプリ上にコースタイムがきっちり明記されている一般登山道とは違って、探索に必要な時間は地形図から自分で想像しなければならない。

どれだけ遡ればいいのか分からないけど、ひとまずGO!

既存の野湯や未到の温泉を探すのに公共交通機関を使うスタイルは我ながら非効率的で不便だとは思っているが、帰りのバスの時間に合わせて捜索を終えないとならない制約は、ある種の安全装置になっている。目的の野湯がなかなか見つからなかったり、もう少しあそこらへんも探しておきたいけどな、と思うと深追いして山の中で日暮れ時が近づいてしまいかねない。辞めどきを逸することは事故の元になる。「帰りのバス」は大抵早いので、それに乗る必要があると探索を切り上げやすい。いつもソロでの探索なのでそれくらいの制約が必要だろう。

まあ、更新に行けなくて免許失効しちゃったのがそもそもの原因なのだが。

くじゅうは紅葉が始まりかけ

経験上、沢を遡る場合は復路の所要時間は往路の8割くらいで考えておくと少し余裕がある。可能なら復路も10割で考えておき、8割がリミットということでルールを決めた。往路の所要時間を細かくチェックしながら進み、引き返すタイミングを探りながら探索を行おう。

まだ10月だが山の水は冷たい

歩いてみて分かったのだが、このエリアかなりシカの生息数が多いようだ。姿は見せずに「ピィー!」と侵入者(僕)を知らせる鳴き声が聞こえるのみだが、足跡がかなりの密度で存在している。これまで歩いた中だとシカ天国だった日光に次ぐ気配の濃さである。実はこの「シカの足跡」というのは山の中を歩くとき、役に立つことがある。

大きい段差やそのまま進むとビシャビシャになる場所。
こういう所は迂回して進む

沢を遡っているとそのまま沢沿いには進めない、ということはよくある。そういう場合は沢から外れて迂回して進むことになるが、どういうルート取りをして進めばいいかはなかなか難しい。下手なルート取りをすると行き止まってしまい、また戻らないとならなくなる。そういう時にシカの足跡を辿って歩くとうまく行き止まらず、先に進むことができるのだ。

「鹿の通り道式」ルートファインディング

自分の経験から勝手に言っているだけだが、こういう普通に生きていると手に入らない知識は非常に面白い。逆に自力で迂回ルートを決めて歩き出して、途中から鹿の通り道が合流してくると鹿に認められた気がしてとても嬉しい。答え合わせになるのだ。

山に入って1時間以上歩いた後、人の足跡を初めて発見した。沢登りの人だろうか。

いいキノコ

沢を遡ること1時間半。川の様子や水の温度を確かめながら歩いているが、手がかりは全くない。戻る時間を考えると、行きに使える時間はあと1時間もない。入浴時間も考慮しないとならないし、さすがに少し焦りを感じてきた。熊本まで日帰りで来て何もなく帰るのだろうか。リミットの時間を考えながら歩いていると、突然あの匂いが鼻を貫いた。

ここを渡る時、それまで一切なかった「硫黄臭」が突然やってきた

山奥を歩いている中、突然の硫黄臭。

こんなテンションの上がる瞬間はなかなかない。脳汁がドバドバ出るのを感じる。普通、硫黄臭がする時はそういう場所があるのを目指して歩いている状態からの「ついに来た!」だが、こんな何の手がかりもない状態からの不意の硫黄臭はヤバい。思わず興奮で声が出た。ただ周囲を見回しても温泉気配はない。もう少し上流から沢沿いに漂ってきているのだろうか。

もう少し歩くと目の前に念願の「白」が現れた。

くじゅう 野湯 源泉 小田川

これですよ!

最高だ。全く知らない土地にきて、鹿の足跡を辿って、川の中に温泉が現れる。非日常が溢れている。マジでよかった。これで手ぶらで帰らなくていい。

にしても事前に調べていた源泉の様子とは様子が違う。もっと平坦で広いエリアに白い硫黄分が広がっていたのだが。他にも源泉がある可能性があるので一旦キープしてさらに上流へ探索を続けてみたのだが、それらしき場所はなかった。川の始まりまで遡りきった訳ではないが、経験上あの写真のような平坦な場所はこれ以上、上流には存在しないはず、という場所までは探索したので間違い無いだろう。

くじゅう 野湯 九州 源泉 小田川 温泉

それではここを今回の目的地と決定します!

考えられるのは大雨による地形の変化だろうか。2000年には大雨による災害が熊本襲い大きな被害が出た。その際に写真にあったような場所は埋もれてしまったのかもしれない。

くじゅう 野湯 九州 源泉 小田川 温泉

実際、周囲には小規模だが他の温泉湧出も確認できた

ここより下流にも上流にも湧き出しはなく、本当にこの半径10mほどの空間にだけ硫黄分の付着が確認できる。匂いがするのもこの周辺と先ほど匂いを感じた場所だけだ。少し残念ではあるが、気にすることはない。目の前には探し求めた源泉があるのだ。じゅうぶん。

ちなみに装着している硫化水素検知器にはわずかな反応があったので源泉に近づけてみると

硫化水素 検知器 温泉 野湯

10ppmを超えると気をつけないといけない

静かな山奥に警告音が大音量で鳴り響いた。しっかりとした硫黄泉である。それほど高い硫化水素濃度ではないし、風通しもいいので大丈夫だろうが、危険性を判断できるので山奥での源泉探索では検知器での濃度測定は必須である。それでもこういう濃度の場所で長時間入浴していると経験上、多少喉がイガイガしてくる。そもそもバスの時間的にあまり猶予は残されていないので早速入浴しよう!

くじゅう 野湯 九州 源泉 小田川 温泉

本当に見つかってよかった!家を出てからここまで片道8時間!

くじゅう 野湯 九州 源泉 小田川 温泉

つ・め・た・い!!!

そう、冷たい。
プールというレベルではなくキンキンに冷えている。だが、それが何だと言うのだろうか。わずかな情報を頼りにここまでやってきて、実際に温泉がポツンと山奥に湧いていてそこに入浴できている。ましてや見た目からして、匂いからして、硫化水素濃度からして、成分的には温泉の基準を満たしていることに疑いの余地はない。そりゃぬくい方がいいけども。

 

くじゅう 野湯 九州 源泉 小田川 温泉

「入浴」という意味では史上初かもしれない源泉

「温かくなければ”温泉”じゃないだろう」「冷たい温泉になんて入る意味はないだろう」という指摘はカリフォルニア巻きやエビフライ巻きを「そんなの寿司じゃない!」と糾弾するスシポリスと同じで、視野の狭い考え方である。時代はダイバーシティである。反省して欲しい。

くじゅう 野湯 九州 源泉 小田川 温泉

実際「ほぼ川」の下半身より源泉に近い上半身の方が温かい。

山の中に突然、温泉が湧いてるという面白さ。この体験をより面白がるために入るのだ。積極的に物事を面白がるという姿勢が、自分に更なる面白さを呼び込むのだと信じている。

くじゅう 野湯 九州 源泉 小田川 温泉

温泉探しは科学だ。

くじゅう 野湯 九州 源泉 小田川 温泉

自分の身で感じるのも科学の実践方法である。

それにしても今回はいつもと違う感覚を感じた。何というか前人未到の温泉を見つける時の感じって多分こんな感じなんだろうな、という擬似的感覚。活動を始める前は山のどんな場所に温泉が湧いているのかどんな様子なのか全く想像出来なかった。でも、いろいろな野湯に行ったり、いろんな山で探索を行う中で「前人未到温泉」のイメージは少しずつ固まってきていた。そして今回の温泉はそのイメージにとても近い。人が来ない山奥の沢沿い、そして湯量は大したことはなくて、おそらく快適な湯温でもない。人に見つかっていない温泉というのは多分、そんな感じ。だから今回の、どこに温泉があるか分からず歩いているところからの、突然の硫黄臭、そして発見。この過程も含めいつか自分が見つける前人未到温泉もこんな感じだろうな、という擬似体験になった。いやー、マジで興奮するだろうな。

くじゅう 野湯 九州 源泉 小田川 温泉

体がキンキンに冷えました。

くじゅう 野湯 九州 源泉 小田川 温泉

このワイルドさ!

帰りのバスに間に合うように山を降りて、今回の九州探索は終了。九州にも探索したいポイントはまだまだあるので、また来たい。

山を降りると道端で松茸とハチミツを売っていたので

翌日、炊き込みご飯にしました。2000円。安い!

次回は長野県の野湯そして、魔の「ガラン沢」にある野湯へ向かいます。

↓【今回のダイジェスト】↓


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