前人未到温泉

秘湯どころじゃない、人類未発見の温泉(源泉)を探して”史上一番風呂”に入ります。

【検証】本当に衛星写真で温泉は見つかるのか?(@長野県・湯俣温泉)

川に湧き出る日本一壮大な景色の温泉へ。~温泉探索チュートリアル~

 

ひとまず死なないための装備を整えたので

今回は「実践編」である。

 

とはいえ、いきなり山に分け入って温泉探しするには早計である。

まだ、試すべきことがある。

ニューゲームを始めるときにはたいてい最初にチュートリアルがあるものだ。

 

今回は色々揃えた結果、結構な重量になってしまっている山装備を背負っての山行と撮影のテストを兼ねて、山奥にある川に湧き出す超ワイルドな温泉に向かう。

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人里離れた山岳地帯 左下が日本で5番目に高い山「槍ヶ岳」

向かうのは長野県・湯俣温泉。

3000m級の名峰がごろごろそびえ立つ、

山好きの憧れ・北アルプスというガチ山岳地帯に湧いている。

上の衛星写真を拡大しても”ポツンと一軒家”さえ写っていない。

あるのは登山者のための山小屋だけだ。

 

すでに見つかっていて名前の与えられた温泉ではあるが、人里離れた山奥で勝手に湧いてしまっている系のワイルド温泉であり、こういう場所を見つけるのがこの活動の目標なのである。

 

こういう温泉は「野湯(のゆ/やとう)」と呼ばれる。

飼いならされていない、誰にも媚びない野良温泉のことだ。

しびれるネーミングである。

 

早速だが今回のダイジェストが、こちら。

 

歩き部分だけで往復8時間かかった。

 

実は夏季に一度訪れたことがあり、

僕の野湯への情熱が燃え上がるきっかけの場所なのだが、冬季には夏季よりはるか前で車両通行止めになっていて歩く距離が一気に伸び、さらにタフすぎるコースになっていた。

 

どうりで8時間誰にも出会わないはずだ。

 

実際には新宿から長野の信濃大町駅まで電車で片道約4時間、

そこから歩きの開始地点までタクシーで30分なので移動時間は全17時間ほどかかっている。

皆さんにはぜひ夏に訪れることをおすすめする。

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途中にある高瀬ダム (左)2017年8月(右)2018年12月

また、上で「撮影テスト」と書いたが、

実は撮影のためにドローンを購入した。


ドローンテスト

温泉を空から探すためではなく、見つけた後、映像に残すための自撮り用だ。

そもそも温泉が見つかるか分からないこの活動にとっては

完全に捕らぬ狸の皮算用なやつである。

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ドローンの老舗・DJIの「spark」 手のひらサイズだ

隣のリップクリームと比較すると分かるが

本格ドローンとしてはかなり小型。

しかし、ザックに入れて登山に携行する物としては結構かさばる。

 

また、温泉が見つかって入る時に気分が上がるだろうという

理由から銭湯でお馴染みのケロリン桶を買った。

狸の皮算用その②である。 

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温泉を見つけてしまった時のことを考えると興奮して色々買ってしまう

これもかなりかさばる。

食料や水、雨具、防寒具など山装備に上記のもろもろを入れるとかなりの量になるので今回はトレーニングも兼ねて撮影を挟みつつ歩いていった。

その行程は省略するが、結果こういう場所に行きつく。


湯俣温泉

壮大な景色に囲まれて川に直接入る温泉は最高of最高だった。

そこら中から温泉が湧き出ている光景は壮観の一言に尽きる。

 

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源泉かけ流しまくり(川に)

ホントに温泉見つかっちゃうかも

また、今後の温泉探しにつながるのだが、この画像を見てもらいたい。
衛星画像での温泉の探し方について。

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赤丸が湯俣温泉の場所 温度が明らかに高いのが分かる

左がGoogleEarth画像、右が同じ場所のサーモ画像だ。

 

2つを照らし合わせると、

赤丸の湯俣温泉部分は川なのになぜか地温が高いのがわかる。

温泉が湧いていれば当然、川に流れこんでいるはずなので、

温泉探し的にはかなり気になる場所だということになる。

 

今回はその画像から読み取れる《怪しいポイント》に実際行ってみたわけだが

今後探し続ければ湯俣温泉のような最高な場所に出会える可能性があるはず。

地図の先にはこんなワンダーな場所があるなら期待も膨らんでくる。

温泉(川)につかりながら、そう考えをめぐらせた。

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こちらは夏の湯俣温泉

野生の温泉で温玉を作ろう

もう1つ

これも今後、温泉が見つかった時にやりたいと思い生卵を持参した。
源泉で茹でて温泉卵を作るためだ。


湯俣温泉の源泉で試してみると…


湯俣温泉で温泉卵作り

源泉の温度が高すぎて完全なる茹で卵になってしまった。

半熟な部分が全く残っていないきれいなゆで卵。

 

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完全にゆで卵

源泉は80℃くらいあるらしいので、もう天然のガスコンロだ。

今度は鍋と汁を持ってきてすき焼きにするのがいいかもしれない。

 

日没時間を考えると二時間しか滞在できなかったが満足した。とはいえ、帰りの四時間は正直なところ半べそかくぐらいキツかったので次は夏に行くことにする。

往復で数km以上、明かりの全く点いていない暗黒のトンネルを歩くのはこたえる。

 

予行演習は終わったので、あとは見つけるだけである。

 

とはいえ、冬の雪山に探しに行くのは危険すぎる。
なので実は2018年、雪が降る前に温泉探索に実際行ってきた。
それを次回、報告したい。

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